障がい者施設紹介

ありすくらぶ

No. 22

今回紹介させて頂くのは北区で活動をしている「ありすくらぶ」さんです。当日はお忙しい中、事務局長の角谷さんと施設長の上村さんに話を伺う事が出来ました。

Q1. こちらの事業所区分と利用者数を教えて下さい。

A1.

就労継続支援B型で、45名定員のところ現在登録は43名です。

Q2. 今日もかなりの人数の方がいらっしゃいますが、全員出勤していますか。

A2.

いえ、今日はいつもより10名ほど少ないと思います。

Q3. ありすくらぶさんのモットーや目標はありますか。

A3.

まず、「共に生き共に働く」場所であるということです。仕事の面で言えば、作業の場ではなく「事業所内企業」というものを目指しています。工賃ではなく給料と呼べるよう少しでも多くのお給料を頂けるように努力しています。

Q4. 少しでも多くのお給料をという事でしたが、今は実際、どのくらいのお給料でしょうか。また、ここまで引き上げたいという目標はありますか。

A4.

ありすくらぶでは、作業ごとにグループが分かれていますし、内勤に携わるのか外勤に携わるのかで変動しますが、多く払えている方で、外勤では3万円・内勤では1万3000円程度でしょうか。また、毎日出勤される方には奨励手当も支給しています。3年間をかけて活動していく計画ですが、全員に3万円をお支払いできる程度までに引き上げるのが目標です。 

Q5. 全員に3万を支払うというのは凄い目標ですね。

A5.

出来る人たちだけを集めて、A型事業所を立ち上げればそう夢ではない話だとは思いますけど、それだけでは意味がない。全員が頑張っていけるようにしたいんです。

Q6. 現在取り組まれている業務内容を教えてください。

A6.

主に、Tシャツや布製品のシルク印刷です。またそれに伴う、製品をたたんで封入するというような2次加工です。印刷から封入まで全てを行う事が出来るという部分では「事業所内企業」と言えるのではないかと思います。また、ポスティングのお仕事も請け負っています。

Q7. 今まで印刷したものの中で一番大きかったものはどんなものですか。

A7.

幟ですかね。琴似神社の幟はありすくらぶで作製したものです。

Q8. 職員の方々が心がけている事はありますか。

A8.

必ずできているかと聞かれれば、自信はありませんが、どんな業務でも先ず自分でやってみて、効率よく仕事を進める工夫をしたり、工程を考えたりすることです。作業をしていく中でミスがでれば、それは職員の下準備の問題なのではという意識づけをしています。

Q9. アピールポイントはありますか。

A9.

仕事に対する意識です。納期に間に合わなければ、皆さん残業してくれます。22時位まで残ってくれる方もいます。 ポスティング作業では、利用者さんが地図から配布場所を割り出し、ルートを検討し配布をしてくれます。利用者さんによってはスタッフより正確ですから、スタッフは手を貸しません(笑)

Q10. こんな業務が欲しいというのはありますか。

A10.

なんでも欲しいですよ。(笑)具体的に言えば、看板やステッカーなどを印刷できるインクジェットプリンターを購入したばかりなので、ガンガン活用したいです。このプリンターは金色や銀色を刷る事が出来る唯一の機械です。マゼンダやシアンといった色を混ぜれば赤っぽいシルバーや青っぽいシルバーだって可能ですよ。

Q11. 今までの業務で受けて良かったと思えるようなものや・嬉しい出来事はありましたか。

A11.

APECやねんりんピックのノベルティ製作ですね。大きなイベントですから大量受注出来ましたし、袋詰めのような2次加工もできましたから。ねんりんピックのお仕事ができたおかげで、障がい福祉課から紹介でエイペックのお仕事を頂く事が出来ました。
利用者さんの事で言えば、外勤班の方々は、他の利用者さんのあこがれの的です。「自分もあんな風になりたいという」目標が身近にあるのは良い事だと思います。

Q12. 逆に辛かった。苦労したなという仕事はありましたか。

A12.

沢山ありましたけど、単価の安い仕事。受けてしまえば、残業をして赤字を出してでも納品しないといけませんしね。痛感させられるのはポスティングのお仕事です。業者さんから依頼が来て単価を聞くと「パートさんを雇うなら自給650円」だけど、「障害者に出すなら1部3円」と言われた時はさすがに頭にきました。結局受けませんでしたが…障害者だからって馬鹿にしてますよね。

Q13. 今後の活動計画を教えてください。

A13.

4月からの新たな事業計画を考えていまして、職員一人ひとりにプランを提出もらう事にしています。去年も提出してもらったのですが、あまり検討せずに終わってしまいました。今年はしっかりと検討しようと考えています。

Q14. 作業所同士の連携をしていくにはどんな事が必要だと考えますか。

A14.

色んな研修会に出て、職員同士顔をつなぐ事でしょうか。
ですが、作業所の規模や事業形態、利用者さんの障害種別は様々なので、簡単に足並みが揃うとは思いません。ありすくらぶは「みらいグループ」にも「共々ネット」にも参加していますから私(角谷)が間を行き来することによって多少なりとも繋がりがもてる部分もあるかと思います。
そして、リーダーシップをとる人がいる事で、「自分たちにできる事をしっかりやろう」という思いや「自分たちもあんな活動がしたい」と希望が持てる。

Q15. 最後になりますが、宣伝はありますか。

A15.

どんな事にでもチャレンジします。4月からワークショップアリスという製作事業部を立ち上げノベルティグッズの企画・デザイン・制作を行っていきます。ステッカーや看板のお仕事があると嬉しいです。

色々な経験談を交えてお話しをしてくださり、ついつい長い時間の取材となってしまいました。書ききれていない事がたくさんありますが、角谷さんと上村さんの熱い想いが感じられたそんな時間でした。
法人名
特定非営利活動法人地域生活支援グループ・共働友楽舎
施設名
ありすくらぶ
施設形態
就労継続支援B型
住所
札幌市北区北34条西9丁目4-17
電話番号
011-747-2622
ホームページ
http://alice-club.jp/

記事担当:元気ジョブ 山野